僕の感覚過敏について
金坂 律
目 次
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視覚過敏は色々な物がいっぺんに見えるんです。
たとえばあなたが人が40人いる場所にいたとします。
あなたは知り合いを探しています。
あなたがもし前にいる人全員がいっぺんに同じ濃さで
見えたらどうでしょうか。
それは、ちょうどハイビジョンで見るCGのような濃さです。
友達をみつけられるでしょうか?
ちなみに今の僕には一緒にいられるのは10人くらいが
限界です。
もし限界を超えると疲れて、倒れたりします。
探し物が苦手なのも同じ理由です。
探しているものと他のものが同じ濃さで見えてしまうので、
なかなか見つけられません。
探し物がみつけられないと、目の前に見えているものに
注意がいってしまい、最後まで探せないこともあります。
落ち着いている場合には、他の人に探し物を手伝って
もらうようにお願いすることができます。
夏に晴れている日に出かける時は太陽の光が
まぶしすぎるから帽子をかぶって出かけることもあります。
逆に、うす暗い所は落ち着くことが多いです。
ホールや映画館などの真っ暗なところは苦手です。
昔の画家、伊藤若沖の絵の中には僕の見ている世界と
似ているものがあります。
「動植彩絵」というシリーズの中の『群鶏図』です。
にわとりがたくさん描かれていますが、どの鳥も同じように
描かれていて遠近感もありません。
僕は圧迫感を感じます。普段の世界も同じように見えます。
視覚過敏を持つ人がどんなに違った世界を生きているのか、
よくわかってもらえたでしょうか?
つぎは聴覚過敏についてお話します。 |
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