わかってほしい、ぼくのこと

僕の感覚過敏について
            金坂 律


目   次
まえがき

第一章  感覚過敏の種類

 1-1 視覚過敏

 1-2 聴覚過敏

 1-3 味覚過敏

 1-4 触覚過敏

 1-5 嗅覚過敏

 1-6 前庭感覚

 1-7 固有感覚


なかじめのかわりに
        金坂 光



コラム1
書字障害で大変な事




1-1 視覚過敏
視覚過敏は色々な物がいっぺんに見えるんです。
たとえばあなたが人が40人いる場所にいたとします。
あなたは知り合いを探しています。
あなたがもし前にいる人全員がいっぺんに同じ濃さで
見えたらどうでしょうか。
それは、ちょうどハイビジョンで見るCGのような濃さです。
友達をみつけられるでしょうか?
ちなみに今の僕には一緒にいられるのは10人くらいが
限界です。
もし限界を超えると疲れて、倒れたりします。

探し物が苦手なのも同じ理由です。
探しているものと他のものが同じ濃さで見えてしまうので、
なかなか見つけられません。
探し物がみつけられないと、目の前に見えているものに
注意がいってしまい、最後まで探せないこともあります。
落ち着いている場合には、他の人に探し物を手伝って
もらうようにお願いすることができます。

 夏に晴れている日に出かける時は太陽の光が
まぶしすぎるから帽子をかぶって出かけることもあります。
逆に、うす暗い所は落ち着くことが多いです。
ホールや映画館などの真っ暗なところは苦手です。


 昔の画家、伊藤若沖の絵の中には僕の見ている世界と
似ているものがあります。
「動植彩絵」というシリーズの中の『群鶏図』です。
にわとりがたくさん描かれていますが、どの鳥も同じように
描かれていて遠近感もありません。
僕は圧迫感を感じます。普段の世界も同じように見えます。

視覚過敏を持つ人がどんなに違った世界を生きているのか、
よくわかってもらえたでしょうか?
つぎは聴覚過敏についてお話します。
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